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2016年10月20日 (木)

岩手県 花巻

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樹木葬の墓地を決めるだけで日帰りするのはもったいなくて、花巻温泉に二泊した。
花巻は宮澤賢治の故郷だ。

生きているときは不遇だったが、今やかなりの観光資源となって地域に貢献している。
連休のせいか人出が多く、賢治記念館は駐車場が満車で、停められなかった。

混んでいる場所は苦手だからパスして、イギリス海岸なる場所に行ってみた。
明治時代、地方の田舎に住むお金持ちの坊ちゃんの欧米に対する憧れ、
ハイカラ趣味には、今や気恥ずかしいぐらいだが、私にだってあった。

ずっと日本は脱亜入欧でやってきたから、無理もないか。
だから、戦時中の極端な外来語排除とかに行くのは、コンプレックスの反動形成
ってもんだ。

話が脱線。

賢治といえば体癖的に6種傾向で共通しているので、親和性はあるのだけど・・・

ストイック過ぎて、意識的に避けてきた。

「世界全体が幸せにならない内は個人の幸福はあり得ない」って言われちゃ、
永久に個人の幸せはないわ。
この大風呂敷について行けなかった。

でも、小学生の時に読んだ「よだかの星」は哀しくて哀しくて、ずっと、よだかの気分
に染まって死にたい気分になったっけ。

新幹線の中で読み直した「鹿踊りのはじまり」は故郷の風やリズムを感じていつ
読んでもなつかしい気分になる。

賢治が名づけたイギリス海岸は北上川のドーバー海峡に似ているからだそうだ。

031 今、水量が増えて、景色が変わってしまったらしいが、
                いい景色だった。

028 川の敷石を渡って、対岸を歩いた。

すると、「くるみの森」という無料休憩所があったので立ち寄った。

034ここは17年間もボランティアで訪れる観光客にお茶を出してもてなしている。
スタッフの平野さんが賢治の「雨ニモマケズ」の詩を花巻弁で朗読してくださった。

これには、感激。
しばし、時を過ごし、地元のご高齢のカップルとも話がはずんでしまい、名刺交換。いつでも連絡くれたら1000円で泊めてくださるとのこと。
言葉を真に受ける私に社交辞令は通じないと確認の上でのやりとり。
また知り合いができた。紅葉の時期、それはきれいだそうだ。

田舎の景色が好きだというと円万寺を薦められた。

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観音堂がある。円万寺は坂上田村麻呂が馬頭観音を勧請したのが起源とされる。

明治の廃仏毀釈のせいで、仏寺が神社になり、また戻されるという状態がそのまま残り、共存している。

下から歩いたら、けっこうな上り坂だが、車で行け、駐車場も完備。

ここからの眺望は素晴らしかった。
人がほとんどいなかったので、この景色を独占。

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バス亭には賢治の帽子とコートがかけた案内板にもなっている。

宿泊1日目は鉛温泉藤三旅館の湯治部

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古い建物が好きだから、障子戸のある部屋は落ち着いた。

022 温泉は立ち湯。
他にも白糸の湯、桂の湯と露天風呂も貸切風呂もある。
時間によって、男女入れ替わるようになっていた。

湯治場で長逗留する場合には、基本の部屋代に必要なアメニティなどの料金を
加算していくシステム。

二泊目は大沢温泉菊水館

高級な山水閣と湯治用の湯治屋もあるが160年前の茅葺屋根の建物に惹かれて、
菊水館に決めた。
価格も手頃、食事も値段の割には味がよかった。

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052 朝食のご飯、ふのりの味噌汁が美味しかった。

賢治ゆかりの宿で写真も飾ってあった。
一押しの露天風呂が外から丸見えなので、ちょっと目のやり場にこまるくらい。
さすがの私もここに入る勇気はなかった。
暗くなれば、明かりが煌々としてよけい、スポットライトが当たってしまう。

他にもたくさん温泉があるので、不便は感じない。
大沢温泉は三種類の宿があるので広い。
湯治部の方も覘いてみると、かなり混んでいる。

長逗留で自炊もできるし、食堂も併設されているので、
家族連れやグループに人気らしい。
東北の温泉文化は楽しいな。

来年移転先が決まったらゆっくり、湯治でもしたい。

最後に行ったのは高村光太郎記念館と隣接の高村山荘

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東京のアトリエから花巻に疎開してきた光太郎。
戦中、戦争協力詩を書いた贖罪のように粗末な小屋に7年独居生活をした
場所だ。

冬は雪で閉ざされてしまう辺鄙な所だから、暮らすにはかなり厳しいと思う。
人は暮らす気になればどこでも暮らせるのかもしれない。

ここでの暮らしの中で多くの書を残している。

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農作業をやっていたとはいえ、やはり詩人の手だった。

記念館では光太郎の妻、智恵子の紙絵が企画、展示されていた。
油絵で悪戦苦闘して自殺未遂まで追い込まれた彼女が狂気に陥って、
見つけた切り絵の世界。

痛ましいが切り絵の自由度と色彩の豊かさは見応えがあった。

油絵は清治白樺美術館で見たことのある『樟』の絵が印象に残っている。

Takamura_chieko_01
記念館の入り口は工事中で多くの木が伐り倒されていた。
整地のためなのかもしれないが、切り過ぎ。
なるべく、当時のままに保存しておくのがいいと思うのだが。

駆け足で周った花巻だったが、東北の地に縁ができて嬉しい。


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